「ささ、サクッとケーヤクしよっ」と元気爛漫に言う亜龍君に対し、竹郎君は
「えーと・・・まぁ・・・」
と言葉を濁すばかり
やはり竹郎君でもケーヤクには迷うのか・・・それとも・・・まぁ、最終的に決めるのは本人だから特に口を挟む気はない。そんな事より自分にはやる事がある。
口元をニヤけさして自分の手をある場所に置く。そして・・・
 グリグリグリ〜!
と竹郎君の傷痕をグリグリしてみる。
が、痛がる様子がまったくない。
「痛くないのか?」
「ああ、あんまりね」
少し残念だ、というよりも興ざめだ・・・痛がる姿を見たかった・・・
ふとある事を思い出した。それは再放送映画を録画するのを忘れた事だった。
これはマズイ・・・
「悪いけど急用を思い出した。先に失礼するよ」
と言い戸へ向かった、後ろから
「バイバーイ」
「またね」
と聞こえた。
廊下に出て、少々迷った。黒い奴の死体を見に行くか否か
さて、どうするかな・・・

[竹郎]

「・・・ところで、亜龍さん。何でそんなに喜んでんの?」
俺と契約しただけでこんなに喜ぶはずないと思うし・・・。
「あれ?さっきも言ったはずだけど・・・。」
・・・思い出せん。まったく思い出せん。
「理科準備室で、死体を観察してきたんだよ 」
・・・観察じゃなくて、解剖だと思うんだが・・・。
まあ、こんなところでツッコミ入れてもどうせ無駄だろうな・・・。
話し進めるか・・・。
「誰の?」
「クラスメイトの北崎くん。」
・・・かわいそうに。
北崎もむりやり亜龍さんに契約された、あわれな犠牲者か・・・。
御冥福を祈ろう。

「まあ・・・とりあえず解剖した結果、聞かせてほしいな。」
一応興味はあるし・・・。
「ん〜、全身くまなく刺されてたよ。深さは5,6cmぐらい。」
「・・・だいぶ浅いな・・・。」
「けど左胸とか3,4ヶ所ぐらいは、15pぐらい深さはあったよ。」
なるほど、それが致命傷になったわけか・・・。
「他には?」
「う〜ん。・・・あ、そうそう胃の中になんか白い薬が残ってたよ。」
「そうか・・・。」
今の話でまずわかったことは2つ。
1つ目は浅い傷は両刃、深い傷は片刃のナイフによってつけられたということ。
2つ目は犯人が快楽殺人者である可能性が高いということ。
ただ・・・なぜ胃に白い薬が残っていたのか?
わからん。
白い薬・・・白い薬・・・白い薬・・・睡眠薬か?
・・・そうだとしたら、もしかして・・・

これは計画殺人だったのか?
一応つじつまはあう。
そういえば、今日、昼頃、北崎が薬がないって言って探しまわってたな・・・。
けど結局帰りに見つかってそれを飲んでたはずだ。
もしかしたら、犯人は昼前に北崎の持ってきた本当の薬をかばんから取り出し、帰りの時に北崎の薬に似せた睡眠薬を戻したんじゃないか?
とりあえず、そうだと仮定しよう。
犯人は北崎を眠らせ、その後理科準備室へ運びこんで殺した。
・・・いや、それだと何で両刃と片刃を使ったのか説明ができない・・・。


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