僕は途中で買った炭酸飲料を雅孝君に渡すと死体の方に近付いた。

名札から名前と学年とクラスはわかった。
2年C組の北崎君かぁ。若いのにごしゅーしょーさま。
「さっき死んだのを確認したよ。かなりの場所を刺されてたみたいで、すごく苦しんで死んでいったよ」
「本当!?うっわー見たかったなぁ。後でどんな感じだったか教えてね・・・と鳴葉ちゃん来る前にさくっと中身を見ちゃおう。雅孝君も見る??」
「いや、いい。指紋とか消しとくよ」
「お願いしまーす」
雅孝君が指紋を消しだしたから、僕もゴム手袋と布につつまれた刃物・・・メスとポリ袋を数枚取り出した。
「北崎君、僕と君は契約してたんだよ。だから僕は君を解剖するんだからね♥」
軽く手をあわせた後、北崎君の制服を切り、皮ふにメスを入れた。
少しだけ体内に残っていた血液が流れ出てきた。あ、その前に確認しとかなきゃいけないんだ・・・。
体にあいた無数の穴の1つに指をつっこんで抜く。人さし指の第二関節まで血で赤くなった。
北崎君の体にある刺し傷は想像したよりも浅く、5,6cm程しか刺されていなかった。
・・・深さより、数で勝負ってか?・・・
「・・・ってあれ??ここだけ深さ違う・・・」
左胸の少し上にあいた穴に指を入れたらズボッと入った。
15pぐらいかな?あきらかに刃物が違う。両刃から片刃になってる。
あ、他にも3,4ヵ所あるじゃんか。ふむ。どうやらこの傷口が死因に関係あるかもしれない。
さてさて続き続き♥
皮ふを切り、見えてきた内臓類は生命活動を停止したことを知らせるように黒く変色しだしている。
心臓、異常なし。肺、腎臓共に異常なし。胃は・・・よくわからないので一応切り開く。
胃液の臭いが広がる前に中を確認。食べ物は残ってないけど・・・何か白い薬みたいなのが残ってる。
それを取り出してポリ袋に入れる、よし。こんなもんかな 
ぼくは糸と針をつかって胃を縫い、ついでに切り開いたものを全て閉じた。
『わからないーまーまー終わるーそーんなのーは』
また緊張感のない着メロが鳴った。
僕はゴム手袋を裏がえしにしてはずすと携帯を取り出した。またメールが来たようだ。
『タイトル:救急車  本文 到着したよ。私もついていかなきゃいけないみたい。杉ノ坂病院。』
鳴葉ちゃんからのメールを読み終わると携帯をしまった。
「雅孝君、竹郎の阿呆が病院に運ばれたって。鳴葉ちゃんからメール来たー」
指紋を拭き終わった雅孝君は炭酸飲料を飲んで一息ついてたけど、小さく「あの阿呆・・・」とつぶやいていた。
「さてと、鳴葉ちゃんのとこに行こっかな 」
「あのさ、その服で行くのは危ないと思うんだけど」
「え・・・?あ゛・・・本当だよOTL」
雅孝君に指摘されて思い出した。
そうだった。今の僕は血だらけの制服を着ていたんだった。
「雅孝君。悪いけど、ロッカーから替えの制服とってきてもらえる??」
チャリンとロッカーの鍵を雅孝君に投げ渡した。

[鳴葉]

「......あれ......此処は......」
「あ。起きた」
病院の個室で、私の目の前のベットに横たわる死にかけの竹郎が目を覚ました。
「......何で鳴葉さんが......」
「亜龍の思いつき遊びに使おうとしてた図書室に、竹郎と黒いのが血だらけで転がってた。一応助けたの。亜龍、あんたとケーヤクしてなかったし」
「......そうなんだ」
「あの黒いのって、連続殺人の犯人でしょ」
「!!?」
「やっぱり。あんたの事だから、誰かに殺してもらおうとか考えたんだ」
竹郎は黙ってる。まあ、この答えは正解みたいだね。......分かりやすい奴だ、ホント。
「でも、やっぱり考え直して黒いのを一応刺したって感じ?」
「......俺、まだ死んでないんだね」
「今ごろ、亜龍と雅さんが阿呆呼ばわりしてる頃だろうね」
『さくらーさーくー舞い落ーちーるー』
某アニメキャラソングが流れた。メール来たのか。
「メール?」
「うん。たぶん...つーか亜龍しかいない、この状況」
『タイトル:今から  本文 これから雅孝君とそっち行くね♡』
......ハートっておい。まぁ、雅さんが一緒ってことは、何処かで解剖してたな。ったく。
あの2人がそろうと大変なのに......
「何て?」
「今から2人で来るって。ハートマーク付いてたから、何かしでかすんじゃない?」


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